人気ブログランキング |

タグ:窯 ( 56 ) タグの人気記事

初窯 窯出しの後始末

b0027248_0233330.jpg


登り窯の場合も窯出しのあとはうつわの底に付けたりあるいは重ね焼をした見込みに残った目を取って砥石をあてたり、中に積もった灰を洗い流したり、薪に近いところにあったものはやはり炭素の膜が張っている場合もあるのでこれを剥がしたりという作業があります。
今回の窯は最後の強還元が効いて全てのものは炭素の膜で覆われて出て来たのでこれを剥がさなければなりません。
これがなかなか大変な作業で軽く水洗いで取れる部分もあるのですがいくらがんばってもなかなか取りきれない部分も少なくないのです。

今日は日差しはあったもののひどく寒い日で風も吹いていました。
そんな中での水仕事はなんともたまらない気になります。
軍手をしてたわしでいくらごしごし擦ってもなかなか取れはしないので半分程やってとうとう嫌になりここ数年もっぱら須恵器を焼いている友人の清水善行さんに電話して相談しました。
しばらく雨ざらしにしておくとか灰汁に浸けるとかお湯で炊くとか何かぼくの知らないいいやり方やコツがあるのではないかという気がしたのです。
彼が言うには確かにこの膜の問題は厄介なことで、数年雨ざらしにしても取れないそうで、擦るのもたわしくらいでは無理なので荒手のスポンジに細い砂を付けて擦るとのこと。
そんなことをすれば土肌も自然釉も傷だらけにならないかという気がするのですがそうでもしないととても取れないしそうやっても取れない部分は取れないと言います。
むしろ焼く時になるべく膜が張らないようなやり方を工夫しているとのことでした。
確かに今回のぼくの燻べ方は度の過ぎたものでした。
これは次に生かすしかないので今回のものは信楽の原土を漉した時に残った砂を軍手で力いっぱい擦り付けて剥がしました。
たわしよりは余程力も入るし細い部分にも行き届いてはかどるもののやはり取れない部分はどうにも取れません。
冷たい水に手がかじかんで痺れて感覚が無くなっているので破れた軍手を丸めて掴んで擦り付けてはいるものの気が付けばそれさえ破れてしまって指が直接当たって血が出たりしてもわからない。
ひとつひとつ時間をかけて仕上げながら洗って板に並べたものを手に取ろうとするとどういうわけかぴったり板にくっついて取れないのでいったい何がおこったのかと思ったらしっかり凍りついて固まっていたのです。
どうにか出来る限りのことをしてそれでも取れない分は試しにいくつかづつを灰の灰汁に漬け込んだり重曹で炊いて明日まで置いたりしてみることにしました。

数年前に東京の作陶家、吉田明さんのミニ窯の本を見て湯呑が4つか5つ程入る極く小さな穴窯を作り繰り返し何度も焼いて須恵器は実験していて焼成技法としてはそれなりの目処は立っていたのですが、その窯はどうしてもそのままで1000度程までしか温度が上がらず最後はヘアドライヤーの送風で強制的に酸素を送り込んでやはりかなり細かくした薪を激しく燃やして温度を上げていました。
それが嫌でなんとか自然の対流で焼ける最小限のものをと考えたのが今回の窯だったのですが、初窯も肝心の焼き上がりはなかなか満足の行くものでした。
結果は膜剥がしの作業などをもう少し根気よくやってからまたここで紹介したいと思っています。
清水さんのように数か月の仕事を一回の窯に掛けていてはなかなか実験もしにくいでしょうが自家の窯は轆轤すれば数時間の仕事で埋まるほどのものなので、次回もまた近いうちに焼き方をかえて試してみたいと思います。
自分でも驚くのですが窯を作りはじめてからでさえひと月と掛からないで初窯を焚いたのです。

午前中に窯から出した燠は全く火鉢の炭のようにしっかり火が起きて、夕方に玄関のたたきに持って入りかじかんだ手を温め、網を出してトーストを焼きました。
日付も変わった7日の今になってもまだまだ家を暖かくしてくれています。
by slipware | 2008-12-07 01:21 | 窯のこと | Trackback

初窯 2008.12.6/12:50

b0027248_18174940.jpg


まだまだ熱い燠のたまっていた火床が入れるくらいに冷めるのを待ってからまだ暖かい窯にもぐり込んで焼けたうつわを出しました。
土の性質もそれほど強くはないものだし高温域の時間もそれなりに掛けて焼いたので予想通りにかなり固く焼け締まっています。
ただしこのように燻べて焼けば炭素の皮膜に覆われるのでまだこのままではどんな感じなのかははっきりとはわかりません。
写真は窯から出した直後の状態です。
この黒くぎらぎらと光る炭素の皮膜を洗い落とさなければ土の表情は見えないのです。

それはそうと今回コップが16点と鉢が10点入っていたのですがそれぞれ9個と6個のものの底に傷が入りました。
こういうふうに底が切れるのは轆轤の時に土の締めが悪いか、底ばかりが分厚すぎるか、あるいは急乾燥が過ぎるかなどの可能性が考えられます。
いくら自分の轆轤が上手でないとしてもこれはいくら何でも傷が出過ぎで、やはり濡れたままのものを窯に入れてあぶったためではないかと思われます。
あれだけ慎重にあぶったのに、という気はしますが、もしかしたら側面は乾いても底は窯床からの湯気が相当後まで上がり続けたためにいつまでも乾かなかったのではないかという可能性もあるかとは思います。
by slipware | 2008-12-06 18:41 | 窯のこと | Trackback

初窯 2008.12.6/10:30

b0027248_11352795.jpg


焚き口の火床にたまった灰と炭は30×50センチ程のブリキの缶にこのくらい採れました。
雨水で湿気ているどころか炭はまだ火の気が残っていたようで空気に触れてまた再び赤く火がおきました。
灰はまた釉薬になるので取っておきます。
by slipware | 2008-12-06 11:42 | 窯のこと | Trackback

初窯 2008.12.6/10:20

b0027248_11195536.jpg


昨日は夜半から午前中いっぱいに掛けてかなり激しい雨が降りました。
そして昨夜は氷点下5度くらいまでかなり冷え込んで今日は快晴です。
窯には直接水が入らないように煙突から焚き口まで一応トタンで簡単に覆っていましたがこの雨ではかなりの湿気は窯の方にも入ったのではないかと思います。
煙突のふたを開けて手を入れてみればもう熱くはありません。
40度くらいの感じでしょうか。
焚き口にたまった炭や灰もあるいは水がたまって湿っているのではないかとも思いながらレンガをはずして中を見てみたところこんもりと盛り上がった炭と灰との奥に焼き上がったうつわが黒く光っています。
灰と炭の上に手をかざせばまだ熱そうなのでとりあえずはこれを取り除きます。
このままではまだ窯の中に入ることは出来ません。
煙突と焚き口を開けたのでこれで冷たい空気が流れてすぐに冷めるでしょう。
by slipware | 2008-12-06 11:33 | 窯のこと | Trackback

初窯 2008.12.4/14:00

b0027248_20124840.jpg


窯を掘り出した時の土で再び窯本体を埋め戻しました。
20~30センチ程に土を乗せました。
当初の予定通りにこれで完全に地下式の窯になったわけです。
まだ結果は見ていませんが次の窯焚きが楽しみです。

写真はまだ温度計を残していますが天気予報は明日は雨とのことなので夕方に170度程で温度計を撤収しました。
あとはじっくりと冷めるのを待ちます。
by slipware | 2008-12-04 20:27 | 窯のこと | Trackback

初窯 2008.12.4/12:20

b0027248_2044760.jpg


窯は順調に冷めていますが大量の薪を入れて燃えきらないままで窯を閉じたので中でこれが炭になっています。
焚き口の下に開けていた空気穴を開き煙突も半分だけ開けば酸素が流れて再びこの炭が赤く燃え出して温度は一時は240度程まで上がりました。
これは予想していたこととはいえ、それでも思った以上に温度が上がってとてもこの狭い窯の中に今日潜り込むことは出来そうにないので再び蓋をしました。
あまり急激に冷たい空気が入ると冷め割れの恐れがあるので用心したのです。
by slipware | 2008-12-04 20:11 | 窯のこと | Trackback

初窯 2008.12.4/12:00

b0027248_2022226.jpg


3日の18時で温度計は304度。

4日の12時で148度です。
窯本体も煤を吸って須恵器の肌に焼け固まりました。
ひびの入った窯天井は焚き終えたときに炎が吹き出す大きな隙間だけは泥で埋めましたが、ほんとうは冷めて熱膨張したのが収まってから修理したかったのです。
残りの隙間にももとの同じ土を練り込みます。
by slipware | 2008-12-04 20:02 | 窯のこと | Trackback

初窯 2008.12.3/6:30

b0027248_19203839.jpg


詰め込んだ薪が少し減るたびにまた次を入れて6時までこの作業を続けて焚き終えた。
30分間のこの作業で温度は急激に下がって805度。
すぐに焚き口にもレンガで蓋をして高圧になった窯から炎が吹き出す隙間は全て砂まじりの泥で目止めする。
隙間の多い煙突はとても塗りきれないので針金で縛った下2段はそのままにしたがただ積んだだけの上5段をはずして再び蓋をする。
このように不完全燃焼の黒い煙で燻し込むのが瓦や須恵器などの焼き方なのだ。

これで今回の窯焚き作業は完了。
使ったのは丸太と松割木が16束で時間はゆっくりとした乾燥のためのあぶりを入れて36時間と45分。

写真はフラッシュをたいたので白っぽく見えるが実際は隙間から真っ黒な煙が出ています。
by slipware | 2008-12-04 19:31 | 窯のこと | Trackback

初窯 2008.12.3/5:30

b0027248_19173484.jpg


4時に焚き口4段目を積む。

5時30分の温度は1230度。
3時30分からここまでほぼ1190~1252度くらいの振れ幅で維持出来た。
煙突に蓋をして、また焚き口のレンガの下2段分に開けていた空気穴も閉じて細かく割った薪を入るだけ詰め込む。
不完全燃焼の黒い煙と炎があちこちの隙間から吹き出す。
by slipware | 2008-12-04 19:16 | 窯のこと | Trackback

初窯 2008.12.3/3:30

b0027248_18483740.jpg


21時に松の丸太と中割木とに切り替える。
温度は1030度。

23時に煙突にもう1段レンガを積み合計6段としてさらに引きをよくする。
温度は1165度。

日付が変わって3日の1時に煙突の7段目を積むと同時に焚き口にも3段目を積む。
温度は1210度。

2時からは中割りのみに切り替える。
温度は1170度。

3時30分に一応の目安にしていた1230度に達する。
煙突からの炎はかなり勢いよく1メートル以上も噴き上がる。
ここからこの高温域でしばらく引っ張る。
このくらい時間をかけて昇温し、また高温を続ければ温度計の場所だけではなく窯全体もうつわ自体もそれほど大きな温度差もなく近い温度になる。
by slipware | 2008-12-04 19:12 | 窯のこと | Trackback