灰釉盒子 2014年春
今自家で用いる釉薬のほとんど全ては灰を使ったものですが、中でもこのように条痕に流れる細かい貫入が出る釉薬はいかにも灰それ自体の性質を表しているかと思います。
窯の中で薪の灰を受けてそれが土の表面と融け合ったものを自然降灰釉と言いますが、そういうものに近いこのような表情の釉薬を指して特に灰釉と読んでいます。
昨年何度かお訪ねした素晴らしい絞りのお仕事をなさっておられる染色家の
新道弘道さんの藍染めに使われた後の灰をお分けいただいて前回の窯からこういう灰釉を試しています。
火の具合にかなり影響されますが、このようにみずみずしい力のある釉薬が出来ました。
こちらは間もなくはじまる
objectsの個展でご覧頂きたいと思います。