蕎麦猪口 白磁染付 2001年春 h:53mm d:94mm
考えてみれば
先日の二寧さんの蕎麦猪口以前には案外蕎麦猪口を作ったことは少なかったのです。
こちらはたぶん独立して以来初めて作ってみた蕎麦猪口で紋様は18世紀後半頃の伊万里にでもあれば嬉しい感じの子持ち輪線です。
あの頃の伊万里ではほんとうにありとあらゆる絵柄の猪口が作られましたが、ぼくの手ではただ轆轤の上で回したうつわにそっと筆を触れさせたばかりのこんな紋様が関の山でこれ以上はなにを描いてもみすぼらしいことになってしまうに決まっています。
磁胎はやはり
韓国のカオリンを用いた軟質白磁です。
二寧さんの猪口のほうは業務用の使用に耐えるためにもう少し強度の出るように調整した磁土を用いています。
盆はこの菊花紋を見れば典型的な朽木盆のように見えますがその作りと東北から出たものであることからすればやはり浄法寺系統のものではないかと思います。