こちらは刷毛目でも白泥ではなく黄土を使ってスリップウェアに掛けているのと同じ黄釉を掛けた14センチ程の鉢です。 スリップウェアの下地に掛ける黄土のむらが美しいと思って始めた仕事ですが、黄土のような鉄分のある泥を掃いた刷毛目は朝鮮にもありそうなものだと思わないでもないのですが実際には見かけません。 やはり刷毛目は本能的な白い器への希求があってただ申し訳程度に白く見せるために白い泥を塗り付けたというのがほんとうではないかと思えばそれも納得のゆくことではあるのです。 これを黒っぽい泥に置かえるということは既に刷毛目を一種の紋様と見ているということでそういう視座がなければこんなものは本来あるわけもないのです。 古の朝鮮の陶工のように無心で自由な刷毛目は難しいとはいいますが、あれもそういう紋様ではないということでこそ生まれてきたものではないかと考えるのが自然だと思うのです。 ぼくなどが刷毛目に向かえばなるべく作為的にはしまいとはどこかで思いながらもついつい勢いのないのは嫌だとかそういう気持ちはあるのです。 結果はいじけたものにはならないまでも朝鮮のもののように無心の作にもならないわけです。 とはいえやはりなかなか効果的な刷毛目に惹かれるのはやはりどうしようもない事実でこういうものもあまり頭で整理した考えで否定してしまわないで作りたい限りは作りたいのです。 春の草萠舎展の会場でいろいろと撮りながら途中で益子に行ってしまってそのままになっていましたのであらためまして順次紹介します。 会場のギャラリーアールは1階と2階に別れていて当初1階にスリップウェアを2階には白無地のものをというつもりでいたのですが会期直前の春の窯で白無地のものが今一つ上手く行かなかったので急遽2階には残っていた以前の窯のものからいろいろと選んで持って行きました。
by slipware
| 2008-12-25 16:02
| 食のうつわ
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