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須恵 盌

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須恵 盌  2008冬 h:9.5cm d:13.6cm


初窯のものをもう1点紹介します。
こちらは窯詰めの時の写真でも窯出し直前の写真でも左端に写っていたものです。

写真では分かりにくいのですが最前列のものの手前の薪をくべる部分は10数センチ程の段差で落ち込んでおり、そこに焼いている途中から薪が当たったのか燠に押されたのかして倒れてしまい、目が外れてちゃんとは戻らないので最後に火を止める前に改めて長い鉄の棒で元あったあたりの燠の上に置き直しました。
焼ける時もいちばん灰を受ける場所でもあり、また冷める時も片面は燠に触りながら冷めたこともあり黒く焦げたり赤らんだりと目覚ましく鮮やかな景色のものに仕上がりました。
須恵器は地味なものが好きとは書きましたが、こういうもののうつくしさも素直によろこびたいという気はします。

穴窯の焼締はやろうと思えばいろいろと焚き方の工夫で激しく変化の多い景色の豊富なものを焼くことは出来るのですが、あまりこれをやるとどうも品位を欠くような気がします。
こういったことはなにも焼締の陶器に限らない話ですがなにごとも人がした人工のものと自ずとなった天然のものとはやっぱり違うのです。
人為の作はどうしても作為が鼻につきがちで無作為な天意の作にはかないません。
by slipware | 2008-12-10 21:57 | 須恵
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