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「前野直史 作陶展 -灰の色 泥の色-」 knulpAA gallery

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11月29日から東京石神井のknulpAA galleryでの一昨年に続いて二度目の個展がはじまります。
今回は画像の今年から取り組み始めた灰釉と黒釉掛分のものやチョーク描きのもの、白地のくるくる紋様のスリップウェア岡山でもたくさん並べましたしましまのスリップウェアなどの普段使いにして頂けるような食器中心にご覧頂きたいと思います。

お店の紹介ブログに初個展よりもさらに数年前の店主町田さんとのメールでのやりとりをご紹介いただいています。
文章は今読み返すと幾分構えたところが気になりますが、自分の陶器についての考えは今も変わりませんのでここにもそのまま紹介させていただきます。

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<町田>

電気窯やガス窯と比べて、昔からある一番自然に近い焼き方ということだとは思うのですが、前野さんにとって、窯、道具とは何でしょうか?

<前野>

どうしてこういう古いやり方を選ぶかといいますと、ひとつは作業そのもの自体に歓びがあるためかと思っています。
電気窯でも蓋を開けてみずみずしいやきものの肌に出会うときはやっぱりときめきますし歓びもあるのですが、蓋を閉めてタイマーを仕掛けてというような事自体はやはりそう面白いものではないですからね。
薪窯は夜を通して薪をくべるその作業自体もしんどいことではありますが好きなのです。
それからもうひとつは「陶磁器」という言葉の「器」の方はそのフォルムだと思うんですが「陶磁」という質の問題です。
これはもう圧倒的に近代以前の天然原料をコントロールも不十分なやり方で焼いていた時代のもののほうが美しいと感じるためです。
これは土器でも須恵器でもあるいは唐津や備前や丹波や信楽やそういうものでも窯跡や集落の跡に落ちている古陶磁のかけらを見れば非常に実感しないではおれません。
問題は今の多くのやきものはそれらのように小さな残欠となって姿を失ったときにどれほどうつくしいかということです。
この点で扱いやすく精製された陶土や合理的な計算で調合された釉薬や進化した便利な窯などと引換に捨て去ってきたやり方をもう一度拾いなおしたいのです。
いっぽう「器」の側は作業の工程や原料の必然から生まれるかたちというのもありますが、現代の生活に応じた姿を探したいと思っています。
窯や道具やそれに自分自身というのもまたひとつのやきものが生まれてくる条件だと思うんですね。
植物の種でもちょうど適した土の上、適した気候のところに落ちなければ花は咲かない。
同じようにこの窯や道具からしか生まれてこないものというのがあるはずなんです。

<町田>

根本的な質問なのですが、前野さんにとって「陶芸」(つくる事と、そこから生み出された物)とは何でしょうか?

<前野>

作るというとそれはもうもちろんぼくなんかも「作る」とか「自分の陶器」とか言葉にはするんですが、実際はどうなのかなぁという気持ちはありますね。
自分のと言うほど自分のものかという問題ですね。
これは二つの意味がありまして、実用工藝の仕事というのは上にも書きましたように非常に伝統的な長い歴史の上に成り立っています。
つまり自分のオリジナルというようなもの以上に先人の知恵に負うところが多く、もののかたち自体も彫刻などとは違いまして皿とかカップとかそういうものには相応のかたちというのがあります。
人体構造や物理や経験やそういうものにより支配されてるわけです。
もうひとつの問題は自分がしてるのは土をかたちにして窯で焼くと、そこまでなんですね。
自分でもやりますが、土を掘ってくれる人、山で木を切って割り木にしてくれる人、町田さんのような配ってくれる人、そしてこれは河井寛次郎先生もどこかで書いておられますが窯から出立てのツルツルの陶器をしっかり育ててくれる人、そこで完成だという話しです。
河井先生が言うにはできたての陶器はまだ半製品のようなものでしばらく使い込んで落ち着いた肌合いになってこそ完成だと、だから後半を作るのは家庭の主婦だとそういう事なんですがこれにはまったく同意します。
「自分が作る」という考えをいったん離れてみれば、陶器の側からしたらぼくとかあるいは窯とかそういうのはこの世に生まれてくるものの出口なんですね。
こんなスリップウェアをやりたいとか、そういう思う自分の気持ちとはそういう陶器が生まれたがっているということだとそういうふうにも言えるんじゃないかと。
ですからぼく自身はいろんなことを考えたり感じたり、まあ努力や工夫もしたりはしますが、あんまり出てきたがるものを抑えこまないでそういうもののより広く大きい出口でありたいというような気持ちはどこかにあります。
言葉にすると非科学的で妙なような話になりますが、お求めいただいて使い育ててくださる方も町田さんもぼくと一緒にこの世に陶器をひとつ生み出しているのだというようなつもりでお付き合い頂けたら嬉しいです。

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考えは考え、言葉は言葉に過ぎません。
実際に出来上がった陶器をぜひご覧下さい。
出展作のうちから幾つかをここ数日のブログにアップしておりますのでご覧いただければと思います。

29日30日は在廊してお待ちしております。
よろしくお願いいたします。

なお、お店の場所は二年前から移転して近くではありますが場所が変わっていますのでご注意下さい。
石神井公園駅からの道順が説明されています。



前野直史 作陶展 -灰の色 泥の色-
2014年11月29(土)-12月8日(月)会期中無休
11:00-19:00 (最終日16:00終了)
在廊日 11月29日、30日
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by slipware | 2014-12-07 12:48 | お知らせ | Trackback

掛分 マグカップ 灰黒 

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掛分 マグカップ  灰黒  2014年秋        (撮影:竹花康氏)


写真は黒いカップに見えますが逆側は灰釉の掛分マグカップです。
左右に大胆に掛分けたものは鳥取の因久山の古いお皿をヒントにした吉田璋也さんデザインの牛ノ戸窯のものがよく知られますが、古い漆器にむしろはっとするほど大胆な赤と黒のものが見られます。
吉田さんの真半分に分けたアイデアのもとにはもしかしたらやはりそういうものが頭にあったのではないかという気もするのです。

今回自分もknulpAA gallery個展「灰の色 泥の色」に向けてこのような掛分けのものをいろいろと作りました。


こちらも12月8日までknulpAA galleryに出品しています。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

この写真は会場にて竹花康さんに撮っていただいたものです。
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by slipware | 2014-12-07 10:44 | 茶のうつわ | Trackback

ぐい呑  呉洲釉/黒釉/灰釉

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ぐい呑    呉洲釉 2013年秋   黒釉/灰釉 2014年秋        (撮影:竹花康氏)


酒器も徳利とぐい呑を少しづつお届けしています。
呉洲釉の去年の窯のものは面取りを施し、今回のテーマである灰釉と黒釉のものはそっけないほどに何も手を加えずに仕上げています。


こちらも12月8日までのknulpAA gallery個展に出品しています。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

この写真は会場にて竹花康さんに撮っていただいたものです。
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by slipware | 2014-12-07 10:21 | 酒のうつわ | Trackback

チョーク描 角鉢

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チョーク描 角鉢  2014年秋       (撮影:竹花康氏)


ガリガリと擦りつけるように描くチョークの装飾はとろとろと流すスリップとは対照的にこのようなジグザグなども向いているように思います。




こちらも12月8日までのknulpAA gallery個展に出品しています。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

この写真は会場にて竹花康さんに撮っていただいたものです。
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by slipware | 2014-12-07 10:06 | 食のうつわ | Trackback

slipware 皿

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スリップウェア 皿  2012年春        (撮影:竹花康氏)


白地のスリップウェアはほとんどがこのようなくるくる紋様のものばかりを作っていますが、いずれも黒地に黄色のものよりは細めの線で仕上げています。



こちらも12月8日までのknulpAA gallery個展に出品しています。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

この写真は会場にて竹花康さんに撮っていただいたものです。
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by slipware | 2014-12-07 09:53 | slipware | Trackback

幕掛 丼

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 幕掛 丼  2014年秋         (撮影:竹花康氏)


白い泥を幕掛けにした徳利や火入れが江戸末期の丹波焼にはしばしば見られます。
その頃の丹波には碗などは例外的なほどに少ないのですが、この装飾をそのまま丼に使いました。



こちらも12月8日までのknulpAA gallery個展に出品しています。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

この写真は会場にて竹花康さんに撮っていただいたものです。
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by slipware | 2014-12-07 09:40 | 食のうつわ | Trackback

slipware 小皿

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スリップウェア 小皿 2014年秋       (撮影:竹花康氏)


小皿はスリップウェアに取り組み始めた頃からいろいろと数多く作ってきました。
瀬戸の馬の目皿のような渦巻きのこちらはknulpAA galleryの個展に出品しています。

個展は12月8日までです。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
この写真は会場にて竹花康さんに撮っていただいたものです。
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by slipware | 2014-12-05 02:03 | slipware | Trackback