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須恵 七寸平鉢

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須恵 七寸平鉢 2010夏  h:52mm w:208x215mm


スリップウェアの場合は型作りのものがほとんどですがカップなどの轆轤で作るものに関しても割合たっぷりと厚みを残して柔らかいかたちに仕上げたいという気があります。
スリップウェアに使っている土が比較的砂っぽいざっくりとしたものであまりぴしっと薄く仕上げるのには向かない上に、さらに化粧土を掛けて釉薬を掛けて装飾するわけですからなおさらフォルムは緩くなるのです。
ぼく自身はスリップウェアというやきものには紋様装飾も含めてそういうゆったりとしたおおらかなものを求めているのでしょう。

いっぽう須恵器のかたちはそうではありません。
古代の須恵器はそうシャープなものばかりでもなくわりに柔らかい雰囲気の造型も見られますがあくまで自分の場合の話しです。
こういう無釉のやきものは轆轤したままの仕上げがそのままに焼けて固まります。
こちらはなるべく手をかけないで自分の感覚で押さえこみすぎずにかたちを作りたい。
轆轤の上でびゅんと伸ばして簡単に済ませたかたちは長時間の高熱で熔けて小さく焼け締まりながら折り合いをつけます。
時には高熱が過ぎてかたちが崩れたり、傾いたり、薪に押されたりして隣のものとくっついたりもします。
しかしそうして仕上がることで最初の轆轤の上での味気ないくらいのものも自然な姿に戻されるのだという気がします。

写真は先の六寸と同じような七寸の平鉢ですが積み重ねて焼いた高温の窯の中で上下のものとくっついて大きくかたちが歪んだものです。
くっついたうつわにはくっつた痕跡が残り、くっついたものならではのかたちに出来上がってきますがこれはこういうものとしてそのまま受け取りたいと思うのです。

昨今は陶器のようなものも完全品であることが求められすぎるような気がしてならないのですが、本来陶器とはそういう事とは折り合いが悪いものではないかとも思うのです。
むろん江戸、明治、大正、昭和と技術は革新され続け工業製品の登場でなおさら完成度の高いものが手仕事にも求められる土壌ができました。
きゅうりでも大根でも真っ直ぐで大きさの揃ったものが求められるという、現代はそういう時代なのです。
ところがそういう過程で抜け落ちたものがあるには違いないのです。
魚は広い海を泳ぎまわっている、大根は土に突き刺さっている、陶器とはもともとこういうものであるというそういうあたりまえのことを発信してゆくのもぼくたちの大切な役割には違いないと思うのです。
もちろん養殖の魚、工場の中で水耕栽培で作るトマト、タイマーをセットして電気窯で焼いた陶器を否定するわけではありません。
そちらにはそちらの価値と論理があるでしょう。
手仕事は手仕事として本来の性を取り戻してゆきたいものだと願っております。
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by slipware | 2011-01-20 16:31 | 須恵 | Trackback

須恵 六寸平鉢

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須恵 六寸平鉢  2010暮  h:40mm d:190mm


先日の写真の割れたうつわは六寸と七寸の平鉢でしたが大丈夫なものもありました。

自然釉の表面が荒れる問題についてあれこれ考えているのですが、古い須恵器を見れば釉薬が剥落したものが相当数あることがわかります。
もちろん今ぼくたちが見ることが出来る古代の須恵器のほぼすべては数百年から千年以上も土中に埋もれていたものが発掘されたものではあり、そのことによって釉表面が土中のアルカリ分などで侵食されて風化した結果剥落したのだという可能性も考えられなくはないのですが、むしろこれらは出来上がった当初からなめらかな釉調ではなかったのではないかという気も相当程度しています。
釉が綺麗に残っているものもたくさんあるにはありますが、残ってはいても今うちの窯で焼け上がってくるように煮えた様な荒れた肌のものもかなり確認できるのです。
剥落してしまって当初の釉の状態が確認できないものも含めると相当の割合で須恵器の自然釉は荒れた釉肌をしていたのではないかと想像しています。
いっぽう若干窯の構造と焚き方が異なる12世紀末以後の常滑、丹波、信楽などのやきものにはこういう釉肌のものはほとんど無いように思うのです。
このあたりに何か自然釉の状態を考えるヒントがあるような気はします。

ぼくの小さな窯でさえひと窯焚けばなめらかな釉のものと荒れた釉のものが出来上がります。
薪に近いところと煙突に近いところ、熱が上がる場所と比較的上がらない場所などそういう焼成条件の違いは小さな窯だけに差が少なく、その条件と結果との関連が今のところまったく掴めないので困るのですが、自分の窯焚きが釉肌が荒れやすい条件に近いところで行われているのだということは現実なのです。
いろんなものが出来るということは少しの条件が変われば結果は変わる境目にあるのかもしれないとは思っています。
確かめるべきは薪の種類、焼成温度、昇温の速さ、還元の濃度、強還元のタイミングです。
コントロールしにくい条件としては窯に影響のある地面からや雨などによる湿度の問題、冷却の速さなどの影響も考えられます。

今のところ自分の予想では強還元のガスの過多によるものか、単純に高温すぎて煮えているだけなのか、あるいはもしかしたら広葉樹の雑木類の自然釉というのがアルカリ分も多くてこのようになりやすいということなのか、原因はそのあたりではないかと思うのです。
まずは次回はどのタイミングで釉薬が煮えるのか、強還元前の段階で釉調はどうなっているのかということを確かめたいと思います。
それには窯の最終段階でいくつかのものを引き出してみれば良いのです。
これでなめらかな釉調が得られているとすればそれが荒れる原因は強還元から冷却の間の条件にあると言って良いと思うのです。

こういうことは高熱に耐えるカメラで焼成から冷却までをモニター出来れば訳はないのですが、どこかそういう設備のある大学なり何なりで取り組んで欲しいものだと思います。
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by slipware | 2011-01-20 04:39 | 須恵 | Trackback

穴窯 9回目

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昨年末25日から28日まで9回目の穴窯を焚きました。
前回に引き続き自然降灰釉の調子を確かめるのが今回も課題でした。
屋根のない野天の窯ですので30日から降った雪に埋もれてしまい窯出しが遅れましたが結果は今まで以上に窯の中で割れたものが多く出来て残念でした。
全体の半数強が破損というのは窯の経済としてあまりにも厳しいのです。
これは窯の中の湿度が十分に抜けきる前に温度が上がったためかと思いますので次回はより慎重な昇温をこころがける必要があると思いました。
往時はそうではなかったかということで山からおろしたての全く乾燥していない丸太でほぼ最終段階まで焚いたこともより湿気を送り込み続ける結果となりこの傷の多発の原因となったかもしれません。
しかしそのことは次に気をつければよいだけのことでかまわないのですが、肝心の自然釉が煮えたようになるという課題に付いては、窯焚き終了時の須恵器ならではの強還元のタイミングに問題があるのではと考えて調整したもののあまり今までとの違いがなく拍子抜けの結果になりました。
何が原因でどういう手を打てばいいのかということを今一度考え直して取り組む必要があります。
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by slipware | 2011-01-15 00:26 | 窯のこと | Trackback

器 暮らしの道具 フクギドウ

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スリップウェア 長皿三種 2010秋 h:26mm w:227x111mm(手前のもの)


神戸は阪急六甲駅のすぐそばにある「器 暮らしの道具 フクギドウ」というお店に御縁があって本年より品物を置いていただいております。
フクギドウさんではスリップウェア系統のうつわ類は今までも多くの作り手のものを扱っていらっしゃいますが自分のやきものはお客さまにどのように見ていただけることかと楽しみにしております。
普段使いのスリップウェアをお探しの方にはいちばん色々と見ることが出来るお店かと思います。
お店のブログでも幾らかの写真を紹介していただいておりますがぼくのものもスリップウェアや須恵器をはじめ様々なものを並べていただいています。
お近くの方はぜひご覧ください。
またフクギドウさんはウェブショップも設けておられますので遠くの方はぜひお問い合わせ下さい。
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by slipware | 2011-01-12 02:37 | お取扱い店舗 | Trackback

テーブル展/暮しの器 むぎわら

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あけましておめでとうございます

新春4日より25日までの期間福島県郡山市の「暮しの器 むぎわら」にてテーブル展を開催していただきます。
むぎわらさんには開店以来スリップウェアを中心にご紹介いただいておりますが、今回はスリップウェアはもちろんそれ以外にも須恵、錫白釉、藁灰釉、泥三彩、面取、押紋などのものもいろいろと並べていただきます。
営業時間等の詳細はむぎわらさんのブログをご覧ください。

写真は今回お届けしているもののうちのひとつで2010年秋の窯で作ったスリップウェアの盒子です。
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by slipware | 2011-01-03 03:47 | お知らせ | Trackback