呉洲釉 筒描皿 六寸 2015年末
コバルトを用いた釉薬はまあどう扱っても青くなるもので呉須釉とか瑠璃釉とか青釉とか作り手によっていろいろな名前でさまざまな調子の青い釉薬が使われています。
自分の場合は河井寛次郎先生の多用した青を念頭に置いて調合しています。
決して派手ではなく渋い調子の青でありながら、色は淡くなった時でさえ深みのある空の青さや海の青さのようなあの釉薬です。
それで名称も河井先生常用の呉州釉の文字を用いております。
こうして筒描きで絞り出して紋様したものに呉須釉を合わせるととたんに河井先生の感じになってしまって、まあこういうことをするといろいろとご批判もあるかとは思いますが、自分としては河井先生や他にも敬愛する諸先輩方の仕事はやはり一度きちんと学んでおきたいという気持ちもあるのです。
SML個展にてご覧いただきます。