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象嵌青磁 花盒子

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象嵌 花盒子 1995年秋  h:89mm w:135×100mm


先日のものに続いてこちらも独立後はほとんどしていない象嵌による盒子で、立杭の修行時代に作ったものです。
高麗青磁のように胎土を彫った後に二色の泥をうめて装飾しています。
身近なひとにもほとんど話したことはありませんが安宅コレクションにあるような象嵌の高麗青磁の梅瓶や陶板などの静謐な気配に大変惹かれます。

1989年の春に兵庫県立近代美術館で「セント・アイヴス」展を見ました。
この英国の南端にある港町をテーマにした展覧会は、ここに多くの芸術家が暮らし仕事をしていたからで、アルフレッド・ウォリス、バーバラ・ヘップワースなどの美術系の人たちのものと、リーチや濱田庄司らを中心とした工芸の仕事を同時に取り上げたものでした。
この展覧会に行ったのはバーナード・リーチのエッチングやスリップウェアなど初期の仕事にとても惹かれていたからですが、実際に会場で何よりもこころを鷲掴みにしたものは彼らの仕事の糧になったものとして何点か参考出品されていた古陶磁の数々、なかでも英国のスリップウェア角鉢と瀬戸の柳紋の石皿と高麗の象嵌青磁の鉢の3点でした。
こういうものは今でも大好きにかわりありません。
古作のスリップウェアについてはそれまでにも目にしていたかもしれませんがほんとうにこころが結ばれたのはこの時です。
by slipware | 2009-07-20 21:26 | 蓋物
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